この記事は『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4の重要なネタバレを含みます。まだ観ていない方はご注意ください。
“本当の黒幕”が姿を現す、シリーズ最恐ホラー回
シーズン4は、とにかく空気が重い&怖い。
ホラー色が一気に強くなって、「これ子どもたちの冒険ものじゃなかったっけ?」と思うくらい。
ただその分、
- マックスとヴェクナの対決
- ホッパーのロシア編
- エディのギターシーン
…など、シリーズ屈指の名シーンも詰まりまくってるシーズンだと思います。
シーズン5前の復習として、
「シーズン4で何が起きて、何が分かったのか」を整理して振り返ってみます。
シーズン4はどんな物語か、ひとことでいうと
兄を失い心に傷を抱えたマックスをはじめ、
それぞれのトラウマを狙う“ヴェクナ”という存在が現れ、
ホーキンス全体を裂こうとする物語。
そして同時に、「裏側の世界の黒幕」と「イレブンの過去」が一本線で繋がるシーズン。
舞台もそれぞれに分かれていて、
- ホーキンス組(マックス・ダスティン・ルーカス・ナンシー・スティーブ・ロビン・エディ)
- カリフォルニア組(イレブン・マイク・ウィル・ジョナサン)
- ロシア組(ホッパー・ジョイス・マレー)
という三本立てで進んでいきます。
ざっくりあらすじ:シーズン4で何が起きたか
① ホーキンスで始まる、原因不明の“空中で折れる”殺人事件
物語は、ホーキンスのチアリーダー・クリッシーが、
目に見えない何かに襲われ、空中に浮かび上がったまま骨を折られて死亡するところから始まります。
その場にいたのが、ヘルファイア・クラブのリーダー・エディ。
見た目や趣味が完全に“悪魔崇拝してそうなメタル野郎”なので、
町の人たちから一気に「犯人扱い」されてしまう。
でも視聴者は知っている通り、
実際にクリッシーを殺したのは、目に見えない“何か”。
その“何か”こそが、今回の黒幕・ヴェクナです。
② ヴェクナは、人のトラウマにとりつく“精神攻撃系モンスター”
ヴェクナは、
心の中に深い傷や罪悪感を抱えている人をターゲットにして、
幻覚を見せながら精神を追い詰め、最後に現実世界で身体をねじって殺す、というスタイルの敵。
だからこそ狙われてしまうのが、マックス。
兄ビリーの死を自分のせいだと感じている彼女は、
- 耳鳴り
- 時計の幻覚
- 血まみれのビリーの姿
など、ヴェクナ特有の“前兆”に悩まされることになります。
ここで、「このままだとマックスもクリッシーみたいに殺される」という緊張感が一気に上がる。
③ マックスを救う“音楽”のアイデアと「Running Up That Hill」
シーズン4を語る上で外せないのが、
ヴェクナの精神世界からマックスを救うシーン。
ヴェクナに捕まった人は、
意識だけ裏側の世界に引きずり込まれ、その中で殺されそうになるんですが、
そこからの脱出の鍵になるのが「大切な音楽」。
マックスの場合、それが
Kate Bush の「Running Up That Hill」 だったわけです。
- 現実世界では、マックスの耳にヘッドホンをつけてこの曲を全力でかける
- ヴェクナの世界の中で、遠くに仲間たちの姿と、現実世界への“道”が開ける
- マックスが必死でそこへ走って戻ろうとする
という流れが、本当に完璧すぎる。
「絶望的な状況の中で、音楽で希望が開ける」って、
80〜90年代カルチャーを愛してきたダファー兄弟だからこそ出てくる発想だなと感じるシーン。
④ イレブンは能力を失ったまま、“自分の過去”と向き合わされる
一方カリフォルニア側では、
イレブンが学校でいじめられまくっていて、
能力も戻らず、日常もうまくいかず、かなりしんどい状況からスタート。
そこに政府サイドが介入してきて、
「再び力を取り戻さないか」と持ちかけてくる。
彼女は再び施設のような場所に入り、
自分の記憶をたどり直す形でトレーニングを受けることになります。
ここで浮かび上がってくるのが、
- 自分より前にいた実験体「ワン」の存在
- かつて施設で起きた“職員、子どもたちの惨殺事件”の真相
- その事件の実行者がイレブンなのかどうか
という、シリーズ全体の核心に関わる部分。
⑤ ヴェクナ=ワン=ホーキンス研究所の“あの少年”
徐々に明らかになるのは、
ヴェクナの正体が、実は
- ホーキンス研究所で「ワン」と呼ばれていた最初の実験体
- その前は、ホーキンスに住んでいた少年・ヘンリー・クリール
だという事実。
彼は子どもの頃から人とは違う力と価値観を持っていて、
家族に対しても残酷なことをしていた人間。
その後、ブレナーに保護される形で研究所に入り、
“ワン”として能力を研究され、
イレブンと出会うことになります。
イレブンが彼を止めようとした結果、
彼は裏側の世界へ吹き飛ばされ、
あの恐ろしい姿のヴェクナになった、という流れ。
「裏側の世界の最初の住人が、もともとは人間だった」というのが、シーズン4で一気に繋がります。
⑥ ホッパーのロシア収容所編
シーズン3ラストで死んだと思われていたホッパーは、
実はロシア側に捕らえられ、収容所で囚人生活を送っています。
ジョイスとマレーが
半ば無茶なノリで救出に向かうのも、
ストレンジャー・シングスらしい“雑だけど熱い大人組”って感じで好きなラインです。
ここも結局、
「ホーキンスの子どもたちと遠く離れた場所から、少しでも脅威を減らすために戦う」
という一本の線でつながっていて、
各チームがバラバラに見えてちゃんと同じ敵と戦っているのが気持ちいい。
⑦ 一度ヴェクナから逃げたマックスが、今度は“囮役”を引き受ける
一度は「Running Up That Hill」でヴェクナの呪いから逃げ切ったマックス。
でもシーズン後半では、彼女自身がヴェクナをおびき出す囮役を引き受けます。
作戦の全体像はこんな感じ。
- ヴェクナは、人のトラウマに入り込んで精神世界に引きずり込み、その間は肉体が裏側の世界で“無防備な状態”になる
- だから、誰かが餌になって精神世界でヴェクナを引きつけているあいだに、
裏側の世界側から本体を物理的に攻撃できればチャンスがある
この「餌」役を買って出るのがマックス。
一度ターゲットにされた経験があり、
兄ビリーの死への罪悪感を強く抱えている自分が一番狙われやすい、と分かっているからこその決断です。
作戦の手順としては、
- マックスがビリーの墓の前で、自分の心の奥をあえて開き、ヴェクナを呼び込む
- ホーキンス側ではルーカスとエリカがマックスのそばで見張り、危なくなったら音楽で引き戻す準備をする
- 同じタイミングで、ダスティン&エディがデモバットを引きつけて時間を稼ぐ
- そのあいだに、スティーブ・ナンシー・ロビンの3人が裏側の世界のクレル家に侵入し、ヴェクナ本体のもとへ向かう
精神世界でマックスと対峙しているあいだ、
裏側の世界にあるヴェクナの本体はツタに絡まれたまま“トランス状態”。
ここを狙って、スティーブたちが火炎瓶とショットガンで一気に攻撃します。
ロビンとスティーブがツタを焼き払って動きを封じ、
ナンシーがショットガンを何発も撃ち込んでヴェクナを窓の外へ吹き飛ばす。
……が、あとで外に回り込んで確認してみると、
地面には焼け焦げた跡だけが残っていて、ヴェクナの**“死体そのものはどこにもない”**。
「確かに撃ち落としたはずなのに、肝心の本体が消えている」というこの終わり方が、
シーズン5への不穏さをかなり強く残しているポイントだと思います。
【最終作戦で印象的なシーン】エディと“地獄のギターソロ”
作戦の中で、スティーブ・ナンシー・ロビンがヴェクナに近づくために、
裏側の世界の中でデモバットを引きつける役を決めることになります。
そこで男を見せるのがエディ。
メタル好きで、社会からは「危ないやつ」と見られていた彼が、
本当に危ない世界の中で、
Metallicaの「Master of Puppets」を全力でかき鳴らしてデモバットを釣る という、悪魔的にカッコいいシーンが生まれる。
「最高にメタルだった!!!」とダスティンとテンション上がるシーンも好きなポイント。
そして、みんなを守るためにエディは一人囮として踏みとどまり、
自分の人生で初めて「逃げなかった」と言って命を落とす。
正直、この時点でエディは完全にファンの心を持っていったキャラだと思います。
▼Metallica「Master of Puppets」を演奏するエディ
⑧それでも間に合わない現実と、“いったん死んでから”生き延びるマックス
…が、実際にはこの作戦がギリギリ間に合わない。
精神世界の中でマックスは、
ビリーへの罪悪感や、自分の中の「本当はあの日こうしたかった」という記憶をヴェクナにえぐられ続け、
現実世界の身体はクリッシーたちと同じように空中に持ち上げられてしまう。
- 四肢が不自然な方向に折られ
- 目からは血が流れ
- 心臓も一度止まってしまう
ルーカスの腕の中で、マックスは
「何も見えない」「怖い」と言いながら意識を失っていく。
この時点で、マックスは**確かに一度“死んだ”**ことになります。
だからこそ、ヴェクナ側のカウントでは「4人目の犠牲」として成立してしまい、
ホーキンスの地面に巨大な亀裂が走るきっかけとなってしまう。
巨大な亀裂によって町がどんどん裂けていき、裏側の世界が地表に染み出し始める。
ロシアから逃げたホッパー達と合流したイレブン達は、変わり果てたホーキンスを前に町を救う決心を新たにする場面でシーズン4は終わります。
シーズン4を見て感じたこと
シーズン4はとにかく、
- ホラーとしての怖さ(ヴェクナのビジュアルと演出)
- キャラそれぞれの心の傷の描写
- 裏側の世界と人間世界の関係が一気に一本線になる感覚
が強くて、今までで一番“物語全体の骨”が見えてくるシーズンだな、という印象でした。
一方で、
- マックスと音楽のシーンのカタルシス
- エディのギターと自己犠牲
- ホッパーとジョイスの再会
- それぞれのチームが別々の場所で同じ敵と戦っている構図
など、「求めてるものをちゃんと出してくれる」ポイントも、安定して押さえてくる。
相変わらず登場人物たちは、
それぞれ状況をちゃんと理解して動こうとするし、
変に話をこじらせてイライラさせてくることも少ない。
シーズン1の頃から変わらない、
“キャラは基本いいやつで頭もいい” という土台の上に、
ここまで重くて大きな展開を乗せてきたのがシーズン4なんだな、と改めて感じました。


